手段を目的化してはならない。
先日、臨地実習に行くことのできない看護学生に、学内実習で何を学ばせるかを書きました。https://kango-support.or.jp/3724
今回は、このコロナ禍で臨地実習に行くことのできる学生に何を学ばせるかを書きます。
これは、あくまでも私の仮説です。今年、臨地実習を受けてくれる病院は、感染指定病院ではない、また新型コロナウイルス感染症患者がいない病院だと思います。
しかし、実習が可能な病院においても、外来の縮小、入院患者数の減少、検査や手術の縮小、面会者の制限など、緊急事態宣言中に感染拡大防止の対策をとってきました。今もなお、予断を許さない状況として対策されていると思います。つまり、実習に行けたとしても「受け持ち患者さんがいない」ということもあります。
一人の患者さんを2、3人の学生が受け持たせてもらうということが、本当に学ばせたいことなのでしょうか。だからといって、臨地実習は無意味だと言いたいのではありません。せっかくこの時期に病院に行けるのだから、病院でないと学べないことを学ばせたいです。
実習目的を多少拡大解釈して、実習のやり方を変更して、病院内で起こっている「事実を知る」実習とかできないものかと考えています。
たとえ15分でも看護部長や院長先生のプレゼンテーションを聞かせて欲しいです。今、何が起こっているのか、そしてどこに向かうのか・・・・
現行のカリキュラムでは、「看護管理」という科目があり、「統合実習」では看護師長さんの実習や夜勤実習などを実施している学校もあります。私は、看護管理、社会状況と病院、経済と病院、地域性と病院、感染症危機管理などの観点から、医療従事者の事実に基づいた話を聴く実習を構築したいと思います。
コロナショックは、病院にも影響を及ぼしていきます。そのとき、最前線で働いていく看護師を育てているのだから、この時期の実習は例年通りではなく、「事実を知る」という実習にしてはどうかと思います。きっと新カリキュラムを創り上げていくうえでも大切な視点です。https://kango-support.or.jp/3746