現行の看護基礎教育の臨地実習の分類は、年齢(発達)の軸と、健康状態の軸と、療養や暮らしの場の軸が混ざっていて「統合」が複雑です。
私だったら、年齢と健康の軸だけで分類するなあ~と考えています。身体の病気だろうが精神の病気だろうが、また複合していようが、健康状態(身体的・精神的・社会的)がどうなのか、また、年齢は何歳なのかだけ。
治療や療養の場、生活の場のどこであっても、看護はあるので、4つの分類で、考えて複合的で統合的、協働的に行動できる教育ができればよいのではないかと思います。
えらい人たちが、カリキュラムの見直しをしてくれるのを待って、そこから、自校のカリキュラムを構築し、かつ実習先を決めていくことになると思います。今のうちに、弾力性のある見方をしておけば速やかに対応できると考えます。
分類Dの実習は、1年生のうちから保育園や学校、育児サークル、留学生交流などいくらでもできます。たとえ、小児看護学実習、母性看護学実習という分類が残ったとしても、小分類して、学年を超えて実習できるようにしておけばいいと思います。
分類Cの実習は、労働環境を理解したり、健康に暮らすお年寄りの方との交流できる体験をするとか・・・。疾病の予防的な看護、健康学習支援、早期発見、再発予防などの看護を体験できると思います。
分類Aと分類Bは、健康状態の変化や悪化に伴う看護です。正期出産も分類B。精神疾患で20歳から40歳代の急激な陽性症状の出現時は分類B。認知症などによる急性症状がある場合は分類A。認知症や慢性的な病気があったとしても、地域の施設、あるいは自宅で支援を受けて暮らしているケースは分類Cととらえてもいいのかもしれません。
災害看護を実習として取り入れるとすれば、高齢者、こども、障害のある人は、健康の変化を起こしやすい状態と考えられます。また、外国人で言語的コミュニケーションが困難な場合は、健康の状態の社会的側面において変化をきたす可能性があると考えることができます。国際看護においても、どのような場面を切り取って考えるかで、分類のいずれかに入り実習が可能です。
カリキュラム改正に備えて、シンプルに分類しておくといくらでも対応できると思います。