109回、既卒合格数2339名、合格率は37.4%。浪人して、合格するということはすごいことなんだぞ~~!!
昨年度の看護師国家試験第109回(令和2年2月16日(日)実施)は、受験者数:65,569名、合格者数:58,514名、合格率数:89.2%でした。過去10年間で第109回目の受験者数が最も多い試験でした。結果、10年間で看護師の数は1万人増えています。
注目しておきたい点として、第109回は新卒受験者数59320名、新卒合格者数56175名であり、新卒合格率が94.7%であったのに対し、既卒受験者数6249名、既卒合格数2339名、合格率は37.4%でした。例年、既卒受験者の合格率は、新卒受験者と比較して非常に低い傾向です。これは、准看護師あるいは看護助手として働きながら勉強しているため、時間の確保が難しいことやモチベーションの維持が困難であることなどが考えられます。参考・引用資料
それらの背景をもとに、当法人は看護師国家試験浪人生のための塾を開講しています。過去2年間、看護師国家試験浪人生の受講生は全員合格することができました。働いている受講生の勤務表に合わせて、無理のないプランで取り組んでいることが功を奏したと考えています。今年はさらに受講生が増えています。
2020年は、コロナ禍のため、完全個別もしくはオンラインでの講座となりました。受講生の皆さんは、中小病院や老健施設などで准看護師さんや看護助手さんとして働きながら学んでいます。それが素晴らしいと思いませんか?「1回で受かっておけよ」という声もありますが、誰も落ちるために受験していません。不合格になってからの再チャレンジが素晴らしいと思います。
また、今年はコロナ禍において、看護系大学および看護専門学校は、十分な病院や施設実習の時間を確保できず卒業し、新人看護師として働くこととなります。そのリアリティショックは計り知れず、一人の人材育成にかかる期間は長期化することも視野に入れる必要があります。さらには、外国人人材の確保も見通しが立たない現状にあります。
それらの点において、看護師国家試験は不合格となり、准看護師や看護助手として勤務している人材に学びなおしの機会を提供することは、知識・技術・経験を存分に発揮でき、看護師資格を取得でき、医療や福祉の現場での活躍が期待できます。学びなおしの時間は、将来の地域医療の推進につながると思っています。
再チャレンジによって、4月から就職する看護師を「色メガネ」で見ることなく、37.4%の難関を突破してきた勇者として受け入れてもらえると嬉しいです。何度も言います。「浪人して、合格することはすごいことなんだぞ~!!」