精神看護学実習は、オンラインで対象者とコミュニケーションをとる、日常のプロセスレコードを学生間で意見交換し体験を深める。
精神看護学実習は閉鎖的な臨床現場なので、院内感染に気を付けなければなりません。なので、実習を断られるというケースもあるのではないでしょうか。
そこで考えた「コロナ世代を乗り越えた精神看護学実習」
実習目標のポイントは、精神の①健康回復 ②社会生活を理解 ③看護の実際
なので、精神障害者の方あるいはその家族の方と学生が会話する場面を設定します。また、かつて精神障害を患ったことがある人の回復ストーリーの語りを聴く。オンラインです。
学生は、3人~4人一組になってもらい、ファシリテーターの教員(指導看護師)と対象者さんとZoomで会話をします。その会話をする前に、どんな質問をするか、どんなふうに語りを聞くか、練習する必要がありますね。
同じ対象者の方が同じ質問を受けないように、10人以上の対象者の方とつながっておく必要があります。つまり、1グループにつき、原則ひとりの対象者さんです。周りをよく見るといらっしゃいます。たとえば、認知症をかかえている家族、発達障害のお子さんをお持ちの方、かつてお子さんを亡くされた経験のある人、統合失調症やうつ病とともに生活している人・・・・
会話終了後に、グループで気づきの共有をして、対象者の全体像を把握します。飲んでいるお薬、飲んでいたお薬やそれを飲んだ時の気分など、語ってもらえるといいですね!今まで使用していた実習記録は役に立ちませんが、病院で入院しているより、社会に出てからの暮らしぶりを語ってもらえるのはとても参考になります。「お薬飲んでくださいね!」という指導をする実習より、「え~」と気づきが多い実習になりそう(笑)
それだけなら、ちょっと時間数が足りません。自宅にいて、家族または知人との関係性におけるプロセスレコードや、意図的に話を聴くという取り組みをして、対象者の変化、自分に起こっていることを記録に残します。ただし、これだけなら実習になりません。「新型コロナウイルスが生活にもたらしたもの」というタイトルで対象者5人の話を聴いてもらいます。電話、オンライン、家族であれば直接、メールでのやり取りでもいいかもしれません。対面でないと看護実習はできないという概念をとにかく捨てなければなりません。
こうしている間も、貧困格差、教育格差が新型コロナウイルスの弱者を生み出さないために、看護がみていかなければならない未来を描いていく看護教育でありたいです。
これらについては記録用紙の工夫は必要ですが、ストレス、レジレンス、環境と人間、様々な観点から分析ができるので全体シェアをしたら、さらに学びが深まります。全体シェアをする頃、学校が再開していたらSSTのような場つくると学内実習になります!
逆境から学びえるものはとても多く、その学びをもって、来年から臨床で働いてほしい・・・その願いでいっぱいです。