外国人医療スタッフと一緒に働く時代、国際看護学ももっと多様性を!

国際看護学を講義ばかりの構成で学ばせるのはもったいないです。だから国際看護学実習(統合実習)として、海外に行って、海外の健康と環境、福祉や医療の現状を学んでくるというのはとても素敵!また、ICTで医療英会話ができる、シミュレーション学習ができる・・・というのも素敵。他にも、外国人医療スタッフと一緒に働いたり、外国人患者さんが増えるのは当たり前のことだから、国際看護学演習のシミュレーション学習で、外国人患者の対応、健康保険事情、健康観(意思決定支援)などやってみても素敵です。

先日、中国からきている留学生くんが、「おなか痛いですよ~」と電話がありました。いつも、もっと日本語が上手なのですが、落ち着いていないのでよく聞き取れませんでした。本人は、「虫垂炎かもしれません」というのですが、熱はなさそうだし「腹痛」というよりは「胃がシクシク」というほうが適切な表現だと思いました。今すぐ救急車ではないと判断して、翌日病院に行くよう勧めました。病院についていってあげたかったけど、私の仕事の都合でついていけず、ひとりで病院デビュー&後日、内視鏡検査。不安だったと思います。中国のお母さんも・・・・。結果は胃炎。お薬で様子をみることとなりました。

これって国際看護実習じゃない?(彼の病気から学ばせていただいたのですが・・・)外国人留学生の健康学習支援や、病院の受診時にすることとか、問診票の書き方支援とか、体温計や常備薬とか、緊急時連絡先とか。新型コロナウイルスのこともちゃんと伝わっているかな~とか。SNSという便利なツールはありますが、正しい情報と日本の医療機関について知ってもらえると嬉しいですね。

今回のカリキュラム改正で、「地域」というキーワードを最大限に生かそうとすれば、地域における一次予防、二次予防、三次予防の視点は見逃せません。「国際看護」×「地域」。いろんなことができそうですね。

ちなみに下記は看護師国家試験問題です。基礎として求められているということですよね~答えは「4」です。

 Aさん(38歳、男性)。23時ころ、徒歩で来院した。Aさんは胸を押さえ苦しそうに待合室で座っており、救急外来の看護師が声をかけると、Aさんは日本語を少し話すことができ、外出中に急に胸が痛くなったと話した。Aさんは英語は話せないようだった。Aさんは日本語学校の学生であり、Aさんの指定した番号に電話したところ、Aさんの妻につながり、日本語でのコミュニケーションが可能であった。妻は1時間後に病院に到着できるということだった。この病院には、夜間にAさんの母国語を話せる職員はいなかった。
 Aさんの妻が、Aさんの国民健康保険証を持って救急外来に到着した。妻から聴取した情報によると、Aさんは特に既往はないが、時々頭痛があり、母国で市販されていた鎮痛薬を常用していたとのことであった。心電図でST上昇が認められ、Aさんと妻は、医師から「入院して冠動脈造影〈CAG〉を受けないと命の危険があるかもしれない」と説明を受けた。しかし、Aさんは「たくさんの費用は支払えないし、学校を休むのが心配だ」と検査を受けることを拒んだ。このときの救急外来の看護師の説明で優先されるのはどれか。

  1. 検査の手順を説明する。
  2. 学校は退学にならないことを説明する。
  3. 宗教に応じた食事対応ができることを説明する。
  4. 医療費は国民健康保険が適用されることを説明する。        第107回看護師国家試験より引用

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