病院で働く看護師さんたちの研修で、看護系大学や看護専門学校で学んできて欲しい「基礎科目」は?と聞くと、だいたい「コミュニケーション論」「人間関係論」「ビジネスマナー」などとおっしゃいます。この話を大学や専門学校の教員が聞くと、「やってるよ~」と言って、ひっくり返ると思ます(笑)。

実際、看護系大学や看護専門学校では、看護や医療の専門分野以外にも、基礎科目・教養科目は、どこの学校も決められた時間やっています。たとえば、「コミュニケーション論」「人間関係論」「ビジネスマナー」はもちろんのこと、人間工学、統計学、経営学、社会学、文化人類学などなど・・・

ただ、どうも社会に出てから、あるいは、臨床実習などで役に立っていないというのが現状のようです(笑笑)。

もしかしたら、教養科目(いわゆる、リベラルアーツ)と呼ばれるものは、「これは役に立つかも!」と本人が思ってから学ばないと役に立たないのではないかと思うんです。しかも、それが人それぞれ、きっと違うんです。コミュニケーションが必要な人も、社会学が必要な人も…単位がとりやすいから、選択するじゃなくて、「専門的実践科目」に「教養科目」を掛け合わせて、本来自分が持っている「強み」みたいなものを加えたら、「こんな結果が出ました」といえるカリキュラム構成を考えていきたいです。すでにeラーニングや単位の互換性などはやっていますが、学生たちも「役に立った」と感じ、就職先も「新人看護師はやるな~」みたいな結果につながっていて、そしてその先にある患者さんや家族の人たちも「看護師さん、ありがとう!」につながっていかなければ、「基礎」でも「教養」でも「教育」でもない、ただの○○だ!あーー○○が、うまいこと絞り切れない。くーーー(>_<)もやもやする!!

最近は私も、テレビを観る時間より、YouTubeをみる時間のほうが長く、私に必要なものを選択でき、かつ、その情報をさらに深く集めたければ、Google先生がちゃっちゃとしてくれるのでありがたいです。で、YouTubeやGoogle先生の言うことが、正しいとするわけでなく、「私の仕事」と「私の強みと課題」と「私見」を練り合わせていくときに、やっぱり教養科目って必要なんだな~と気づくんです。で、これからもずっと、勉強していこうって思うんです。

看護基礎教育の「教養科目」を考えていくと同時に、育てる側の「教養科目」も考えていこう。