佐藤先生(大学教員)のパラレルキャリア実践報告!
夏の太陽が照りつける森の中で、こどもたちの声が響き渡る──虫取り、流しそうめん、キャンプ飯、工作……。大人にはちょっとしんどい暑さの中でも、こどもたちは元気いっぱい。そんな日々の真ん中で、キャンプナース®︎は子どもたちの“変化”を見つめ、健康と安全を見守っていました。
「しんどい」とは言わない子どもたち
今回のキャンプで印象的だったのは、発熱していても「しんどい」とは言わず、「眠い」と言ったり、「肩がこった〜」と表現する子どもたちの姿でした。大人のように具体的に不調を訴えることが難しいからこそ、ささいな言葉や表情、仕草に敏感になる必要があります。
これはまさに、看護の本質。「観察力」と「想像力」が問われる現場です。
心と身体のつながりを“体感”する時間
体調の変化だけでなく、ちょっとしたホームシックや不安が身体の症状として現れることもあります。心と身体は繋がっている——これは学生たちに伝えてきたこと。
でも、実際に子どもたちと過ごす中で、その意味を「体感」しました。まさに、“学び続ける看護”がここにはあります。
「看護師」として、「大人」として、「仲間」として
キャンプナース®︎の仕事は、応急処置や健康観察だけにとどまりません。
虫取りや工作に一緒に夢中になったり、流しそうめんに笑顔で参加したり。
活動に積極的に関わることで、子どもたちとの信頼関係が築かれます。そしてその信頼こそが、いざというときに「体調が悪い」と伝えてもらえる土台になります。
大学生リーダーたちの成長を見守って
今回のキャンプには大学生のキャンプリーダーが主体的に活動を運営してくれています。
その活躍ぶりには目を見張るものがありました。大学教員の立場から見ても、チームの中で葛藤しながらも責任を果たそうする姿は素晴らしく、感心しきりでした。
リーダーという役割の難しさは、キャンプインストラクター研修で痛感したばかり。それだけに、若者たちの奮闘が胸に響きました。
おわりに:キャンプナース®︎は“特別な日常”を支える仕事
キャンプナース®︎は、子どもたちの特別な体験。その体験の中に安心して挑戦し続けられるよう支える存在です。病院のように医療設備が整っているわけではない野外環境だからこそ、看護師としての観察力・判断力・行動力が試されます。
子どもたちと一緒に笑い、感じ、学ぶ時間は、かけがえのない看護の経験になり、今後の看護教育の現場に生かされると思っています。
実践レポート キャンプナース® 佐藤寿哲
