今がどんなに小さくても・・・・・
本当に生まれてきた!そうか、そんなに月日は流れていたのか。
新生児を抱っこするのは何年ぶりだろうか。少子化のせいか?
小さい。でもたくましい。お乳を吐いた後さえ愛おしい。周りの人を幸せにする生命体である。
にもかかわらず、私たちのように生命の誕生を手放しで大喜びできない人がいることを決して忘れはしない。
戸籍法によって「児玉」の苗字を名乗る新しい生命は、日本国民としてこの国に居場所を得た。
医療や母子保健、育児休業などのシステムに守られながら、児の成長を見守ることのできる実に幸運な部類に属している。
「部類に属している」と言うのは「部類に属していない」ことの比較によって、感謝が生まれているのではない。幸運であるということを素通りしてはならないと噛みしめているのだ。
漱石の本にたびたび登場する「無力無能な赤子」とは、おごる自分を認めざるを得なくなったときに使われている。
赤ちゃんがおごりもせず、誕生したことは事実である。さらにいろんな人に愛され、ケアされなければならない存在であることも事実である。
