臨床実習に行く時間が短かったということだけなんです。
今年も終わりに近づいてきました。今年2月末、私がインドの旅から帰ってきてからというもの、ものすごい勢いで仕事内容を変更していきました。
とりあえず、なくなってしまった仕事には執着せず、私ができる仕事はすべてお引き受けしました。おかげで、看護学校のオンライン講義や実習、新カリキュラム会議、看護大学の実習、高校での講義や看護コースの立ち上げなど、やったことのない経験をさせてもらいました。また、幅広い層(看護学生さんから現役の看護師さん)の個別塾を行うことができました。適宜、オンラインだったり対面だったり変更しました。この1年間の皆様の出会いから、学んだことはとても貴重です。
その体験をもとに、本日のお題である「新型コロナウイルスの影響を受けた新人看護師教育のコツ」について、私の見解をお話ししたいと思います。
よく言われていることではありますが「違い」がますます大きくなりました。学校単位の違い(とくに情報リテラシーの違い)も大きいです。私は、何がいいとか悪いとか、全くジャッジする立場にありません。「ほーーーー違うなーーーー」くらいの感覚です。
当然、個々の学生の学び方の違い、習得度の違いは大きいです。そして、一概に試験の点数がいいからといって、深く理解できているというわけでもなく、次の行動が見通せるための知識になっているというわけではありません。もちろん、試験の点数もよく、深く物事を理解し、その知識を持って次の行動を予測できる人もいます。まさに、目から鼻へ抜けるという感じです。
この大きな「違い」をもったまま新人看護師として入職するのです。そこでポイントは5つ。
- 人と比較しても仕方がない。これだけ育ってきた環境が多様化したのだから、競争すること自体適切でない。
- 新人看護師の「自信がない」は、指導者が「自信がある」に変えることはできない。このコロナ禍で入職を決めている時点で志はあるけれど、「コロナ病棟に配属されても自信がない」と言っているようなもの。入職を決めている志に焦点を当てたほうがいい。
- 個別的な教育プログラムをオープンにして自己決定してもらう。その際、習得度の早い人が勝ちのゲームではない。自己決定したことに取り組んでみて、自分のいいところや次の課題を見出せたらOK。
- 臨床実習ができていない分、いろんなスタッフの看護を見せてもらい、話し合いのうえ指導者を決定する。
- 視点が大きく変わるような体験ができるようにする。多職種カンファレンス、地域看護体験など。
「違い」があっても、給料は同じ。それなら、どっちが得か!みたいな議論が生まれてくるかもしれません。そんなとき、リーダーに任せるのではなく、スタッフ一人一人が、きちんとした解答をもち、不平、不満、不安、不公平感などの混沌とした空気の中からでも働く糧につながるように舵を切っていけると素晴らしいです。
新人看護師が入職する前にぜひご準備ください。病院単位の勉強会もお引き受けしています。まずはこちらから問い合わせをお願いします。