地域社会の中で貢献できる自分であることを認識する
「キャンプナースファーストエイド」の意義の一つは、単に応急処置や安全管理の技術を教えるだけでなく、大人自身の「自己成長」「生き方変革」「セカンドキャリア」を促進する機会です。子どもたちに安心感を与え、子どもの成長を支援する役割を担う大人は、しばしば自分自身を後回しにしてしまいます。しかし、子どもたちの野外活動を支援することによって、大人自身が自然の中での新たな学びや挑戦に直面し、自分の可能性を再発見することができます。
現代の多くの大人は、日々の生活や仕事に追われているのではないでしょうか。仕事や家事に追われてしまい、日常的なストレスや疲労が溜まるばかりで心の余裕を持つことができなくなりがちです。その結果、目の前のタスクに集中し、自分自身の成長や内面的な豊かさを見失ってしまうことも少なくありません。しかし、キャンプナースファーストエイドの役割は、子どもたちの安全を守るための準備や対応だけにとどまりません。野外活動を通じて、大人自身が新しい挑戦や未知の状況に立ち向かう機会が与えられるのです。
例えば、「少年野球のコーチをする」と言うことをとりあげても、「勝つ」と言う目標に向かって取り組むプロセスにおいて、自分自身のコミュニケーションスキルやリーダーシップを見直すきっかけになります。さらに、子どもたちが困難に直面したとき、それをどうサポートするかという体験から大人自身が様々なアプローチを考え試行錯誤することになります。つまり、お互いに学び合っているのです。
このような体験を積み重ねることで、大人たちは自身の成長を実感し、活動の終了後もその効果が持続します。野外活動で学んだスキルや知識、そして何よりも「子どもたちを支える喜び」は、日常生活にも影響を与えます。例えば、普段の生活で見逃していた自分の「強み」や「できているところ」「成長している自分」を再認識することで「貢献の欲求」が満たされています。あるいは、子どもたちに対するサポートを通じて培った共感力や問題解決能力が、職場や家庭でのコミュニケーションにも役立つでしょう。
「キャンプナースファーストエイド」には、もちろん実践的な知識やスキルを習得するという側面がありますが、それ以上に「生き方変革」のきっかけを提供する場として存在し続けたいと思っています。これは、あまり一般的には意識されていない側面ですが、実際に参加した大人たちの多くが「自分自身が新たな視点を得た」「自分の限界を超えることができた」というフィードバックを残していることからも、その重要性が伺えます。
さらに、このような「生き方変革」を体験した大人たちは、単に野外活動の場だけでなく、日常生活や職場、地域社会においても、より積極的に他者を支援する姿勢を持つようになります。これは、「キャンプナースファーストエイド」を通じて得られるメリットの一つです。子どもたちを支えるために学んだスキルや知識は、他者への思いやりや共感力を育む一助となり、それが社会全体に波及していくのです。
たとえば、ある参加者が野外活動の経験を通じて、普段の生活では感じることのなかった体験や視点、チームワークの重要性を実感し、それがきっかけで地域のボランティア活動に参加するようになったという事例があります。このように、「キャンプナースファーストエイド」は、単なる技術習得の場にとどまらず、参加者が自身の生き方を見直し、他者との関係性を再構築するきっかけとなります。
また、キャンプナースの活動は、子どもたちとの関わりを通じて「次世代へつなぐ」を強く感じる機会にもなります。次世代を支えるという視点は、普段の生活ではなかなか意識しづらいテーマかもしれませんが、子どもたちの成長を見守ることで、その重要性を肌で感じることができます。子どもたちに対してだけでなく、環境や社会全体に対する姿勢にもつながります。
さいごに、「キャンプナースファーストエイド」の開催は、単に子どもたちの安全を守るための人材育成にとどまらず、大人たち自身が新しい挑戦を通じて成長し、その経験を社会全体に還元していくための重要な機会です。
皆様のご参加をお待ちしています。