平成30年3月、文科省は、『小学校プログラミング教育の手引(第一版)』を提示しました。
数年前から、プログラミング教育という言葉は聞いていましたが、いよいよ本格的に導入です。とはいっても、プログラミングという教科があるわけでもなく、どの学年で、どれくらいの単位数を、どんな方法で学ぶかは、各学校に任されているようです。
プログラミングと聞くとコンピュータを想像しますが、日本の子どもたちを「プログラマー」に育成しようとしているわけではありません(笑)。プログラミングを通して、「プログラミング的思考」を育成するのがねらいです。プログラミング的思考は、「物事には手順があり、手順を踏むと、物事をうまく解決できるといった、論理的に考えていく力のこと」といわれています。
AIの発達により、AIと共存していくために必要な力だと判断したのだと思います。しかし、『小学校プログラミング教育の手引(第一版)』を読む限りでは、先生たちが一番プログラミング的思考が求められています。しかも、「プログラマー」育成になりかねない感じもあります。興味深く経過を見ていきたいです。
看護教育は、常にプログラミング的思考を求められてきたと思います。例えば、「患者のどんな生活習慣が、病気につながり、どんな症状を生み出し、それによって生活や人生にどんな影響をもたらすのかを考慮して、健康上の課題を解決できるよう手順を踏んで、看護していく」。そのために、問題の絞り込み、関連図を書く、看護行為に対する手順書の作成、根拠に基づいた優先順位の付け方・・・・いくらでもあります。
看護教育だけに限らず、AIにできない職業に関する教育は、おそらくすべて、プログラミング教育が必要なのだと思います。もうすでに、取り組んでいる学校もあるでしょう。臨床現場は、どうなんでしょうか?こちらも大変興味深いです。