100%合格しない塾、不合格者にも拍手を送る。

看護師国家試験は、毎年2月におこなわれ、合格発表は3月の下旬である。

私の座右の銘は、「人生やりなおしができる」だ。だから、私の塾には、やり直しが必要な受験生だけに受講してもらっている。たとえば、留年生とか、国家試験浪人生とか、社会人になってからの受験生とか、留学生とか、道に迷ってこじらせちゃってるとか・・・・

今まで、数多くのユニークな経歴の持ち主と個別の相談の形で向き合ってきた。中には、逃げ出す人もいた。自分自身の人生と向き合うのはしんどいのだ。スムーズにいくことの方が楽に決まっている。しかし、行かないときもある。それらは若い時に経験しておくことは素晴らしい。体力があるからだ。無駄な経験なんてない。私は、いまだに失敗だらけだ。体力はいるが、私には回復力もある。

そして、大事にしていることは、「先生のおかげです」「先生が、熱心だったからよかったです」と言う状態にしないことだ。そんな言葉は求めていない。受け取り拒否をする。

あなたが合格できるように学習したので合格した、それだけだ。私のおかげではない。

私は、教え方が上手ではない。「あの先生、間違っている」「何を言ってるか、さっぱりわからん」くらいの人物だ。よく間違う上に、言葉もすぐに出てこない。誰かに頼って合格したいと思う人は、大手予備校に行った方がいい。私に頼っても合格できない。うちの塾は、毎年100%合格しない塾である。

私は、自立した人になってもらいたいし、自律した専門職業人になってもらいたい。だから決して100%合格を目標にしない。

私は、必要以上におせっかいをやかない。

受講生たちの自主性と主体性に任せ、受講生の個々の学習方法の進捗に合わせた結果、92%でした。不合格を許容することは教育だ。負け惜しみでも何でもない。不合格者にも拍手しているだけだ。

不合格になってはじめて、悔しくて勉強しようと思うかしれない。「私は看護師をしたくない」と親に伝えて、堂々と自分の道を歩むことだってできる。

誰だって、そこからどう回復するかで、その人の人生の値打ちが問われるのだ。そこからが、生まれ変わり(脱皮)のチャンスだ。

脱皮のチャンスを奪うのは、私のやりたいことではない。「自分でやりなさい」、それだけだ。

気が済むまで落ち込んで、ぎしぎしと音を立てて這い上がるのだ。私は、ただここにいて応援する。合格しても、不合格だったとしても、拍手する。「ナイスチャレンジ!」