生きるということ
真夜中にナースコールがあった。
「僕は死にたくない」と。
「僕は、死に抗う。人工呼吸器もつける。胃ろうもつける。お父さんやお母さんよりも先に死にたくない」
「間違っていると思うか?」と白目が光る。
彼は、眠れない夜に考えていたことを吐露した。
隣のベッドの人工呼吸器の音より、私の心臓の音のほうがはるかに速くて大きい。
返す言葉など持ち合わせていないが、私も逃げ出さないと決めていた。
「看護」とは何かについて考えていくことを意図として、「看護師日記」を書くことにしました。私の看護師、看護教育の経験に基づいて表現していますが、人物が特定されないように、また文脈を損なわないように一部修正しています。