好きなことがいっぱいできるといいのに。

彼女は、私を見上げた。

大きな目からは、涙が落ちそうになっていた。私も泣きそうになった。というか、泣いていた。

何が悲しいというわけではないけど、彼女の純粋無垢な目に映る自分がただ嫌だ、と思った。

彼女は人の足を引っ張ったり、人を陥れたりしない。

彼女はただただぬり絵が好きだった。黙々とぬり絵をした。

私も一緒に夢中でぬった。彼女のように無心になりたいと願った。

 

しかし私は、上手にぬろうとする。

はみ出してはいけないと考える。

星は黄色だと決めつける。

私のぬり絵は、私の生き方のように息苦しい。

 

「今日は終わりですよ」の時間が来た。

ごめん。ごめんよ。

 

好きなことを好きだけできたら、彼女の病気はどうなる。彼女の命はどうなる。

私はまた挑戦を恐れていた。

「看護」とは何かについて考えていくことを意図として、「看護師日記」を書くことにしました。私の看護師、看護教育の経験に基づいて表現していますが、人物が特定されないように、また文脈を損なわないように一部修正しています。