2025年、ありがとうございました!!
2025年も、静かに年の終わりを迎えようとしています。
この一年を振り返ると、「活動の成果」や「実績」以上に、自分自身の身体といのちと看護の原点に向き合った一年でした。
突然、支える側から「支えられる側」へ
今年、私は延髄梗塞を発症しました。
看護師として、これまで多くの「患者さん」を見てきましたが、自分自身が突然その立場になるという経験は大きな出来事でした。
思うように動かない身体。なかなかやる気にならない精神。
これまで当たり前にできていたことが、当たり前ではなくなる感覚。
そして、「回復する」「頑張る」という言葉が重くのしかかりました。
看護師である前に、一人の人として、生きること、老いることを問い直す時間でした。
看護とは「回復過程」を支えることだけではない
入院生活やリハビリの中で、改めて心に残ったのは、技術や知識だけでは語れない看護の力でした。
何気ない声かけ。沈黙を共有する時間。
「大丈夫ですか?」といよりも、「今日は○○はどうですか?」と問われる安心感。
看護とは、症状や健康の状態だけをみることではなく、その人が、その人としてあり続けることを支える営みだと自分の身体を通して実感しました。
キャンプナース®の意味がさらに深まった一年
2025年は、キャンプナース®の活動にとっても、大きな節目の年でした。講座や研究会、ナビサイトの立ち上げを通して、「地域の中で、いのちと安全を支える看護」があることを探究しました。その考えが、少しずつ社会に届き始めた手応えを感じています。
同時に、病を経験した今だからこそ、キャンプナース®が大切にしてきた「予防」「気づき」「可能性」が、より切実な意味を持つようになりました。
子どもたちの挑戦を支えること。
それは同時に、大人が自分を理解し、助けを求めてもいい地域を創っていきたいです。
そんな思いが、以前よりもはっきりと輪郭を持つようになりました。
「できなくなった自分」と共に生きる
病気を経験して痛感したのは、人は「できること」だけで価値が決まるわけではない、という当たり前の事実です。
以前のように動けない日があってもいい。
立ち止まる時間があってもいい。
誰かに頼ることは、弱さではない。
この一年で得た一番大きな学びは、「支えられることを受け入れる自分」を発見したことでした。
来年に向け
2026年に向けて、一般社団法人看護教育支援協会は、これまで以上に
・予防・支援
・地域と暮らしに根ざした看護・教育
・「元気な人」「合格した人」だけを前提にしない社会
を見据えた活動を続けていきます。
そして私自身も、「以前の自分に戻る」ことを目標にするのではなく、今の身体、今の感覚と共に、新しい看護や教育のかたちを探し続けていきます。
たくさんの本を読む時間でした。知らないことを学ぶ時間でもありました。気になっていたことを整理をする時間でもありました。
今年一年、支えてくださったすべての方に、心から感謝を込めて。どうぞ穏やかな年末年始をお過ごしください。
一般社団法人 看護教育支援協会
代表理事 児玉 善子

