多病棟合同の事例検討会をやってみよう!
病院の特殊性によって、さまざまな事例があると思います。
看護師は、「患者さんの意思決定を支えること」と毎日向き合っています。そのことが目の前を通り過ぎないで、患者さん自身が自分で決めて前に進むという尊厳をもっと感じてもらえる機会をつくりたいと思っています。「そんなこといちいちしていると身が持たない」とおっしゃる方がいるかもしれませんが、きっといちいちしていたほうが「やりがい」につながると思うのです。それが、看護ですから。
「今日はどちらのジャージをはいて、リハビリに行きますか?」から始めてみてもいいのかもしれません。そんな些細なことも患者の意思決定を支えていることを忘れないで欲しいのです。
「延命治療をしますか」という質問が唐突でないように、医療や福祉の現場に患者の意思(自己決定)があり、ケアをする側も意見や意図を明確に言えることが本当の意味での支えるということではないかと思っています。
検討会では、事例の概要を共有し、さまざまな角度からディスカッションする習慣とその力を養うことをしていきたいと思っています。私は、この「意思決定を支える力」のレベルⅢの看護師が、日勤中のカンファレンスの中心メンバーになって意見を言う、またベッドサイドで患者さんや家族の語りを聴くことができたら、かなり看護の底上げされるように思うのです。
進行の仕方は、まずはグループでバズ・セッションとフレームワークを組み合わせておこないます。ファシリテーターは、レベルⅣまたはレベルⅤの看護師が行います。(その前に、ファシリテーターのレクチャーを受けてもらいます)
事例提供者、参加者、ファシリテーターのみんなが、気づきを得られるようなそんな検討会を創作していこうと思っています。完璧なもの、全員がだいたい同じ意見みたいな検討会ではなくて、どうしたらいいのか「!」「?」が渦巻くような検討会がいいですね。「あの医者に伝えてもわかってくれない」「協力が得られない」といった悪口大会にならないように、焦点を「患者の意思決定支援」に当てます。
多職種連携は、協力を依頼する側のコミュニケーション力(協働する力)も問われます。人を巻き込めるだけの筋道の通った論理性と冷静で知的な言葉が扱える看護師がこれからの医療や福祉を変えていくと思います。