JNAラダーの運用について、完璧に仕上げて運用するというよりは、「試験的運用」にスタッフを巻き込むことから始めてはいかがでしょうか。チェックリストを使ってみた、いろんな意見が出た、だから微調整してみた、その意見がでるということは説明が不十分だったからだろう、と試行錯誤する過程そのものがJNAラダーの運用だと思います。

看護師の実践能力を高めていくために、一つ一つ確認できる、再発見できる、次はこんなふうにして見ようが生まれるようなJNAラダーの運用になっていくと、組織を管理する人も看護師一人一人も当事者意識が持てるように思います。

私はいくつかの病院で、 JNAラダーの運用にかかわらせていただいています。皆さんは「運用するには、完璧なものを」と考えているようですが、「試しにやってみて、意見もらってみようか」から始めるほうが気楽ですよ。そのうち、どんどんアイデアが生まれてきて進化していってますから。

この前は、レベルⅠのチェック項目を①必要物品 ②患者説明 ③実施前観察と準備 ④実施 ⑤実施後観察というパターンに整えてはどうか、あるいは、①②⑤は外に出して共通項目にしてはどうかなど、チェックする側もされる側もわかりやすく、何ができて何が課題なのか明確になりやすいように話し合っていました。とくに③は、同じ技術でも病棟によって違いがあるから、付け加えたり削除したりする必要性についても議論していました。昨年の今頃は、「ほんまにするの~」みたいなノリでしたが、やってみると「あったほうが、わかりやすい!」になっています。「看護実践能力をあげて患者さんが元気になっていく」ことさえ見失わなければ、JNAラダーの運用が微調整、微調整を繰り返しても、後戻りしているわけでもなく、ぐらついているわけでもなく、むしろきちんと前進しているんです。

教育会議に参加していると、あらためて、エキスパート看護師ってすごいな~と思うようなことに一杯触れることができます。「その段取り力、私にないわ~」というような力を行動再現可能なように指導できるためには、指導者も実践者もある程度の挑戦と失敗を繰り返すと思うのです。そんな一連の出来事をJNAラダーの運用の視点でシェアできたら、個人も組織も成長しますよね~(^^)/まちがいない。

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