母性看護学実習もやっぱり地域へ!
母性看護学実習は、病院での妊娠、出産、産後の看護、赤ちゃんの看護、家族への看護、助産師外来、産科外来の定期健診など、また、助産院や地域の保健所で行われている「子育てサポート」「子育て支援」など多岐にわたっています。
命がけの出産場面に立ち会うことは、看護学生にとって心に残る実習となります。実習の場が整っているのであれば、続行したい実習項目だと思います。しかし、実習場がない、出産件数が少ないという理由で、演習と組み合わせて、周産期における母子健康の保持・増進を理解する・・・だけでは、新カリキュラムにしなくてもいいのでは?ということになります。
周産期医療の質向上の必要性は、地域における女性、男性問わず妊娠する前の健康増進、妊娠中の健康、育児中の心身及び社会的健康を支援して初めてわかるのではないかと思います。
どの看護学実習も、看護の対象者の場面場面を切り取るのではなく、その人の生活の文脈の中から個別性を見出し、多様化する価値観や文化に対応できる看護実践家を育成できるものでありたいです。
したがって、母性看護学概論や援助論の中で、地域における性教育から育児支援までの演習を組み込みます。たとえば、小学校の初潮の学習支援をやる(男の子にも学んでほしい。親や先生にも学んでほしい)、あるいはベビーカーを押して街中を歩いてみる、ベビーカーごと電車に乗ってみるなどの体験やフィールド調査です。ほかには、学生自身の母子健康手帳、母が着ていたマタニティウェア、子育て手帳や育児書、マタニティキーホルダー、予防接種歴、ベビー用品などを持ち寄ってみても発見があるかも。
授業・演習のレベルでここまでシミュレーションできると実習は、さらに踏み込めると思います。病院実習から始める必要はありません。低学年のうちに、母性看護学実習Ⅰまたは、母性看護学実習基礎をつくっておくといいと思います。たとえば「子育て中のお母さんにインタビュー」 → 「子育て中のお母さんを笑顔にする計画立案」(おしゃれ、ショッピング、おいしいものを食べる、おしゃべりをするなど)と実践。学生が地域に出て、本当に体験して感じる学びが、新カリキュラムの肝心要の部分だと思っています。看護学生の「気づき」がふえるといいなあ~
地域・在宅看護論が本当に赤ちゃんからお年寄り、働く人、子育て中のパパやママ、療養中の人、障害のある人、外国の人、ひとりひとりにいきわたるような科目となるために、ほかのどの看護学ともつながっていたいです~(^^♪
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