看護基礎教育に「セルフ・アウェアネス」を導入して、自分を知ることから始めよう

うちの個別塾には、国家試験浪人、留年生、学校の授業についていけない、進路を迷いながら通う、申し込んでいるけどお休みする・・・という人たちが来てくれています。どの人たちも「今のこの時間」を大切にしてもらいたいと思っています。きっと、人生において重要な時間だと振り返る日が来ると思うからです。

単位を取る、実習合格する、国家試験合格する・・・という「結果」を出すことは大事なことです。

その前に「自分を知る」ことは、仕事に就く前に通っておくとよいのではないかと考えます。また、看護をする人なら、とくに求められることだと思うのです。なぜなら、他者と自己の境界線が重要な仕事だからです。ただの「おせっかい」にならない看護をするためにも「自己に意識をむける」を自分でできる人になることが大切です。

「自分を知る」ことができていない学生が、親や教員、周囲の友だちに「どう見られているか」ばかり気にして、疲れ切っている姿をみかけます。あるいは、他者からのアドバイスや意見を頑なに拒否して、頑固で意固地になってしまい結果が出せなくなっている姿もみかけます。自分を知っておけば、他者のアドバイスにも柔軟に対応できると思います。そのためには、アドバイスは自分を脅かすものではないという気づきが必要です。自分自身で内省もできて、人の意見に振り回されず、耳の痛いことも結果を出すためには受け入れられる、という観点がベースにないといろんな学習方法を取り入れても、仲良しごっこ、ことなかれ発表会、肯定的フィードバックのみ・・・という痛ましい状態を招き、そのまま社会に放り投げられても、社会の荒波の中では立っていられなくなってしまいます。(という私も、よく人の反応に振り回され、反応に反応を重ね、時には自分が何者か見失いながら15,300回くらい転び、15,301回かろうじて起き上がってきたような人ですから偉そうなことは何一つ言えませんが)

以上の理由から、新カリキュラムには「セルフ・アウェアネス」を入れたいと思いました。すでに導入されている学校も多くあると思いますが、早期から2週間に1回くらいのペースで、日常生活に取り入れられるようになるやり方でやっていくことが大事だと思います。科目名は「セルフ・アウェアネス」という名前でなくても、「自己に意識をむける」が可能な分野なら何でもいいのではないかと考えます。「セルフ・アウェアネス」が培われていくことで、「私は、看護の中でもとくに○○をすることが好きなので、○○をもっとやっていきたい。そして・・・・」ということが語れるようになると素敵。肩書や言わされていること、こんなに言えば許してもらえる、合格するではなくて、自分自身の内にある声に気づき、表現できるようにしていくことは看護基礎教育において重要だと思います。

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