私は、新カリキュラムに向けてプロジェクトチームを立ち上げ、会議をしている学校のお話を聞かせてもらう機会がよくあります。いつも、興味深く聞かせてもらっています。

学校によって、教育理念が違うので、特色が出るのは当然です。理念の垣根を越えて、「こんなのどう?」と押しつけのように書き出してみました。独りよがりなつぶやきです。

耳にタコができるほど聴いていることは、あえて書きませんが、「多職種協働」につながるような科目は、実習で経験しておきたいものです。受け持ち患者さんのサマリーを書いて、理学療法士さんや作業療法士さんにプレゼンしてみるとか。

というのも、私の個別塾に理学療法士さんの学生さんが来てくれているのですが、どっちが先生かわからないほど筋肉と骨のことは教えてもらっています。(すげえ、細かなこともまで習うんやな~尊敬する!といつも言っています)。作業療法士さんも同じです。美容師さんの保健の科目も・・・・。

せっかく、みんな国家資格を取るために勉強しているのだから、もっと「協働」しようよ。そんな仕組みをつくらないと国家資格が縦割り行政のようになってしまいます。

もっと言えば、ひとりの患者さんに一人の学生っておかしくないですか?経験値の少ない学生だからこそ、ひとりひとりの違いがわかる実習にしたほうが良いと思うのです。例えば同じ肝硬変の患者さんでも、背景によって違いがあるので、優先するケアもその方法も違うということを学べるほうがいいですね。

だから、二人の患者さんを3人の学生と一人の指導者で受け持つとか。病気の状態や状況に対応して、3人の患者さんを5人の学生でもいいかも。その加減は、いかようにでもなると思います。できれば、指導者さんは、1年目のナースがいいのでは!教えることは学ぶことですから。

子どもの「ごっこあそび」を観ていると、ぞっとするほど家庭の中を再現します。1年目ナースが、学生に指導している口ぶりは、きっとそのように育てているのでしょう。指導しなくていいんだよ。協働するんだよ。

注目する点は、情報収集や看護計画も話し合って、ケアも協力して実施すること。その日の振り返りは、複数の学生で1枚。日報のような仕組みです。それがわかりにくかったら、明日の計画が立たないので当然チームの生産性は落ちます。協働する力、コミュニケーション力、多様性の理解、連携、やり直し力、自己理解・他者理解・・・いくらでも学び取ることができると思うのです。失敗すると、人間関係は悪くなるわ、医療安全は保たれないわ、患者さんからクレームは来るわ、えらいことです。でも、それが現実なんです。

統合実習では、「複数患者受け持ち」をしていると思いますが、少し意図が違います。同じ患者さんが話してくれたことでも、聴く人が違うと受け取り方も解釈も違うのです。それが、いいとか悪いとかではなく、それをどう生かすかを考え行動できる実習にするのです。

私たちは、いとも簡単に多文化共生などを口にしてしまいます。そのまえに、キャリア、立場、年齢、性別がただ違うだけで、心理的な安全性を創り上げていくことができない当事者であることを見逃してはならないのです。学生のうちに、見逃さず、キャッチできるようになるとかなりいい実習ができると思いました。