見直しのサイン

40歳半ばで交通事故、数年の介護の末、ご主人をなくされた奥さまが私に言った。

「私、介護士の資格を取りに行こうと思います。主人の介護の経験を生かして。」

「そうなんですね。」

「私、患者の家族の気持ちに寄り添える介護士になります」と。

 

私は、膝から崩れ落ちた気分だった。

 

私は、奥さまの気持ちを理解できていない看護師だったと烙印を押された気持ちになったからだ。

私の配慮の足りなさに身に覚えがあった。

見覚えのあることを指摘される時ほど痛く刺さる。

 

心に痛みを感じたときは、見直しのサインだと学んだ。

「看護」とは何かについて考えていくことを意図として、「看護師日記」を書くことにしました。私の看護師、看護教育の経験に基づいて表現していますが、人物が特定されないように、また文脈を損なわないように修正しています。