関連図は頭を整理するツールだから完璧を求めないで。
現役の看護師さんと新人教育の話をしたり、准看護師さんと看護師国家試験の勉強をしたり、看護学生さんの実習日誌の相談にのっていたりすると、おもしろい発見をするときがあります。人の頭は、経験があることから引っかかりをつくっていくということです。当たり前と言えば当たり前です。だから、経験のある指導者と話がかみ合わくなったり、経験のない人の何がわかっていて、何がわかっていないのかがお互いにわからなくなったりするようです。
看護学生の実習日誌の中に「関連図」を書く学校があります。ないところもあるようですが、私は、この「関連図」フェチなんです。関連図を究極にシンプルにすると図のようになります。①~④は、事例によって、いくらでも分類するし分化していきます。これで、基礎データを分類していくと、初日の実習目標、何の情報を取ればいいのかがわかる仕組みになっています。カンファレンスをするときも、シンプルな「関連図」があると何の話をしているか、可視化できてわかりやすいです。
最も関連図の優れているところは、教科書をもとに「実在」と「予測」が整理できることです。
例えば、実在する「肝硬変の患者さん」、身体面の「肝臓」と「肝硬変」をまず教科書で調べます。「肝硬変は一般的に・・・」という知識とこの患者さんの実在する「同じ症状や経過」と「違う症状や既往歴からくる個別的な症状や経過」、「まだ、症状としては出ていないけどこれから出るかもしれない予兆」を情報収集していけばいいのです。シンプル~
精神面や、社会面は、年齢や職業、家族の役割などで多少予測のたつことはあると思いますが、あくまでも予測です。思い込み、先入観にならないことも大事ですね。
以上、関連図はごちゃごちゃにならず整理できるので、優先順位も立てやすいです。健康上実在している問題点があればそれをなくせば、次に来る合併症や二次的障害はないわけですから「予防」できます。健康上問題のない人であれば、今の生活習慣の何を継続していくとよいかもわかります。患者さんだけではなく、妊婦さん、メンタルヘルスマネジメントなどにも役立ちますね。
でも、「関連図が書けなーーーーーーい」と悩まないで。書けても書けなくても、看護師になるためには関係ないから。臨床推論力とか判断力とかを養うためのたった一つのツールなだけ。苦手な人は苦手なまま卒業して、二度と再び書くもんか!と誓っておけばいいこと(笑)
結果は、対象者が健康になればいいんです。