お義母さんの手術後の看護体験記・・・・

お義母さん、83歳、脊柱管狭窄症のため椎体間固定術を行いました。手術時間は2時間。朝、手術室に行って、麻酔が覚めた状態で午後1時には病室に戻ってきました。顔色もよく、会話もしっかりしていて、安心しました。

看護師さんは、お義母さんに「痛みはどうですか?一番痛い状態を10としたら、いまはどれくらいですか?」と聞いてくれます。お義母さんは「痛いというか重たい感じ。(手術した)腰より、喉が痛い、足がだるい」といろいろ言います(笑)。看護師さんは、NRSで聞いてるんやから「7」とか「6」とか言わんかいな!とツッコミを入れそうになる私。で、「わからんな~」と大真面目に答えるお義母さん。私の心の中では大爆笑でしたが、看護師さんは「薬を使うほどでもないですか?」と質問を変えてくれて「ない」とこたえ、「せやけど、足はだるいし、喉が痛い。酸素マスク取ってほしい、邪魔や」と(笑)。「喉が痛いのは手術の時に管が入っていたからですよ。足は、同じ姿勢で寝ているからですかね、クッション入れましょうか」とかなんとか、あれよこれよとしてくれていました。感謝。

その光景をみながら、手術に至るまでの経過、手術を決断したこと、手術をしたこと、それまでの諸々の検査、要支援のお義父さんのレスパイト入院の手配や準備、それに携わってくれた人、また大勢の医療、福祉のスタッフの方々・・・・を思い出していました。

看護師をしていたころの私は、ひとりひとりの患者さんの生活や人生を支えるこの裏舞台にいる人々を感じ取ることができていただろうか・・・「できていない」という葛藤がいつもあったなという苦い気持ちが湧いてきていました。

だから、私は今、お義母さんの手術後のケアに専心できるという「至福の時間」をもらえたと感じたのだと思います。ナースコールの音、心電図の音、救急車の音、何に心を奪われることなく、お義母さんが感じて放つ言葉だけを聴くことのできる時間。

「喉が痛い」「うん、うん」、「足がだるい」「うん、うん」。マッサージ、関節運動、クッションの位置を変える、うがい、清拭・・・・お義母さんが「ええわ」というまでできるのです。

3時くらいには酸素マスクも取れて、お水を飲むことができて、夕ご飯は横を向いて寝たままだけど普通食を食べることができました。メニューはハヤシライス(#^^#)。私も一緒に晩ご飯を食べました。お義母さんは末っ子で、「兄弟みんな80歳までに死んでるから、自分が長生きするとは思わんかった。83歳になって手術をするとは思わなかった。」と話をして、「長男がどんな病気で何歳に死んで、長女は・・・」という話をときどきごちゃごちゃになりながら、ハヤシライスをぼたぼたこぼしながら、楽しそうに話してくれました。私は「うん、うん」の人。

術後合併症なし。術後せん妄なし。手術翌日からコルセット着用して歩行練習できました。QOLアップの予定。

お義母さん、私は「至福の時間」をいただきました。ありがとうございました。

臨床で働く看護師さん、複雑な業務の中、専門的な知識をもって親切に対応してくださり、本当にありがとうございました。