私は点字の読めない看護師です。
新大阪駅のホームで、白い杖をついている男性が、ごみ箱の前で空のペットボトルをもって立っている姿を見かけました。そばにいたサラリーマンらしき男性(スーツ姿のおじさん)が、何か声をかけ、空のペットボトルを受け取って捨てるのを手伝っていました。私は、そのサラリーマンらしき男性の姿勢が美しいと感じました。なぜ美しく感じたのかというと、両手でペットボトルを受け取っていたからです。二人がどんな会話をしたのか、どんな表情だったのかわからない距離から見かけただけでした。でも、姿勢というのは内面を映し出すと言われている所以を見た気持ちになりました。
駅のホームのごみ箱は、ペットボトルは丸い穴、一般ごみは四角い穴、新聞や雑誌は長細い穴になっています。確かに目の不自由な方は戸惑うかもしれません。かといって、ごみ箱に分別の点字表記するとゴミ箱の周囲を触らないといけないので、手が汚れるかもな~など、あれこれ考えました。
恥ずかしながら、私は点字の読めない看護師です。町中のどこに点字表記があって、どこに点字表記がないのかさえ分かっていないのが現状です。だから、ちょっとお手伝いするときは謙虚になろうと思いました。
今度、私は今日出会ったサラリーマンらしき男性のように、ちょっと声をかける人になります。そのとき、私の内面が姿に勢いをつけて表現されます。それが姿勢です。そして、相手にも伝わるし、周りの人にも伝わるし、自分自身を知る機会になるのだと思いました。