キャンプナース®として辺野古沖の事故を考える。

このたびの事故で亡くなられた方のご冥福を心よりお祈りし、ご遺族の皆様に心よりお悔やみ申し上げます。

今回の事故については、学校教育、責任問題、政治的ことなどについては度外視し、キャンプナース®としての見解を述べたい。

まず、この事故は高校生18人全員がライフジャケットを着用していたが、女子高校生1人と船長1人が亡くなり、ほかにも骨折、打撲、擦り傷、大量の海水を飲んだ生徒が出ているとのこと。

大前提として、ライフジャケットは万能ではない!ということ。
ライフジャケットは「浮力を確保する」「顔を水面に出しやすくする」ために非常に有効。

しかし、それで水の事故がなくなるわけではない。海上保安庁や事故調査関連資料でも、ライフジャケット着用は生存率を上げる一方で、低体温、外傷、誤嚥、救助までの時間などによって死亡に至る例があることが示されている。

キャンプナース®として見ると、「ライフジャケットを着けていたのに起きた」のではなく、「ライフジャケットを着けていてもなお、防ぎきれない危険が重なった」と考える。

1. 転覆の衝撃そのもの
転覆時は、海に落ちるだけでなく、船、他の乗船者、海面への強打で外傷が起こる。実際に今回も骨折や打撲が報じられている。したがってライフジャケットは外傷を防ぐ道具でないことがわかる。

2. 海水の誤嚥とパニック
転覆直後は驚き、恐怖、アップアップする、咳き込みなどが重なり、ライフジャケットを着けていても呼吸が乱れれば誤嚥につながる。つまり、浮いていても呼吸が守られるわけでない。

3. 高波や天候、地形
小型船は横波や後方からの波で転覆や浸水しやすいと言われている。また船は、人数が定員内でも、重さが左右どちらかに偏ると簡単に傾きやすく、さらに高波や悪天候、サンゴや海底の地形の状況が悪ければ危険は高まる。

4. 低体温と体力消耗
海上保安庁の資料では、落水後はできるだけ動かず体温を保つ姿勢が推奨されている。低体温は意識低下や不整脈につながる。

5. ライフジャケット着用と落ち着いた行動
転覆時には速やかな通報、船体から離れないこと、海面上に体をできるだけ出して体温と体力を温存することを勧めている。

水の事故を防ぐためにも、ライフジャケットの着るだけでなく、事前に落水後の行動に関する教育の重要性について再認識させられた。

今年度、キャンプナース®研修会で取り入れた水の事故「ういてまて」の知識を、一層、広めていきたいと考えている。